診療方針
めまいの診療
日本社会の高齢化にともない「めまい・ふらつき」を訴える患者さんは年々増加しており、内科や脳神経外科の先生から耳鼻咽喉科への紹介も増えつつあります。
当院では詳細な問診に重点をおき、平衡機能検査~診断~治療(リハビリも含めて)を一貫として行い、特にポイントにしていることは、いろいろなめまい疾患の背景を探りながら予後について分かりやすく説明して、患者さんの感じている不安を少しでも軽減できるよう心がけていることです。
スギ花粉症における舌下免疫療法
平成26年秋からスギ花粉のSLITが開始され、花粉症根治を目指す新しい治療法として注目されています。
当院ではまず、患者本人が確実にスギ花粉症であることを診断。次にSLITについての治療内容と経過を説明します。例えば最低2年間の内服継続(できれば4~5年)ができるかどうか、スギ花粉の飛散期のみならず非飛散期にも内服を続けられるかを確認します。
これは舌下する総抗原量が臨床効果に大きく関与するからです。副作用についても、口腔・咽頭の粘膜症状はかなりの頻度で起こりますが、全身症状(アナフィラキシー)の報告は日本国内ではされていません。
ご希望の方は、初診時の診察・説明に時間がかかりますので、まずはご来院をお願いいたします。
スギ花粉症におけるレーザー治療
スギ花粉症に対するレーザーはCO2を用いて、花粉飛散前の12~1月に行います。理由は鼻粘膜のレーザーにともなう傷が完治するためには、約2週間を要するためです。
[治療手順]
鼻粘膜の表面麻酔をした後、CO2レーザー3Wの出力で鼻の奥から前方に照射していきます。
[手術時間・対象年齢]
手術時間は左右5分ずつ程度で痛みはほとんど感じず、出血もありません。対象年齢は原則小学1年生以上であれば可能な外来手術です。術後、一過性に鼻づまりが悪化しますが、2週間程で鼻のとおりは良くなります。効果の持続については、個人差がありますので手術前にご説明いたします。
禁煙外来について
喫煙は多くの癌や肺気腫などのCOPD・歯周病を引き起こし、受動喫煙によって小児中耳炎の遷延難治化が報告されています。そのような中多くの喫煙者は禁煙しようと試みますが長期成功率は必ずしも高くありません。それはニコチン依存症に罹っているからなのです。
外来ではまず、依存症かどうかの診断をしてカウンセリングと薬物治療を開始。12週間で5回の通院を進め、1年に1回であれば繰り返すことも可能です。ご希望の方はご来院の上、ご相談ください。
SAS(睡眠時無呼吸症候群)について
昨今、睡眠の大切さが注目され、SASといびきはその原因の多くが耳鼻咽喉科領域にあり、肥満や咽喉頭の狭小が関与しているといわれています。
当院では内視鏡を用いた視診と自宅での簡易モニター検査を行っています。その結果ですぐに治療を要するレベルか、鼻やのどの治療で経過観察可能かの判断をいたします。さらに詳しい検査(終夜ポリグラフ=PSG)が必要な場合は、専門施設への紹介を行っています。